とある町の、路地を挟んで十軒の家が立ち並ぶ住宅地。そこに、女性受刑者が刑務所から脱走したとのニュースが入る。自治会長の提案で、住民は交代で見張りをはじめるが……。住宅地で暮らす人間それぞれの生活と心の中を描く長編小説。(Amazonより)
物語はその住宅地に住む10軒の家庭の紹介というような雰囲気で始まるのだけど、「この人はどこに住んでる誰なんだろう」と、初めのうちは冒頭についている見取り図と照らし合わせながら読んでいった。
それぞれの家の内情が描かれており、当たり前のことだけど、それぞれ問題を抱えている。
自治会長の丸川さんが、各家から1人ずつ3人のグループになって脱走犯の見張りをしようと提案し、老夫婦の家の2階を借りて交替で寝ずの番が実行される。
栞子としては、脱走犯と言っても横領で捕まった女性だし、そこまでする必要あるのかななんて思いながら読んでたのだけど、それまでほとんど顔も知らなかったような人たちが集まって関わりをもっていくうちに、それぞれの状況や人々の心情がちょっとずつ変化していくのがとても興味深かった。
脱走した女性には彼女なりの正義みたいなものがあり、住宅地の住人の友人なども絡んでくるのだけど、パズルのピースがピタッとはまって気持ちよく落ち着いたという感じ。
それぞれの家が抱えていた問題も少し軽くなったり解消したりで、希望のある終わり方だった。
津村記久子さんの作品は、ガツンとしたことはなく淡々と進んでいく印象なんだけど、なんかしみじみしたものが残るのよねぃ。
初めて読んだのは「とにかくうちに帰ります」で、台風だか何かで職場から家まで歩いて帰るという、その道程だけの話だったと思うんだけど、とっても心に沁みたのを覚えている。
何がどう沁みたのかと言われると、ちょっと困るけど… 
これからも読みたい作家さんだ。
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