しっかり貯金して老後の備えは万全だったわが家に、突然金難がふりかかる! 後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるという。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?普通の主婦ががんばる傑作長編。 (Amazon 内容紹介より)
単行本が刊行された時から話題になってて、気になってた作品です。
たまたま本屋さんに行ったら文庫があったので、自腹で買いました。
おもしろかったー。
おもしろかったー。
同じく老後の資金がない栞子さんとしては身につまされる思いで読みました。
義父のお葬式で葬儀会社の担当者とのやりとりは、栞子も3年前父の葬儀をしたので、とても身近な問題として興味深かったです。
栞子の職場で同年齢の同僚が、姑さんの葬儀で 40万の棺桶にしてあげたの、火葬場でズラッと並んだ棺桶の中で一番立派だった と、とても誇らしげに話してたのを思い出しました。
思わず はぁ?どうせ焼くのに? という言葉が口をついて出そうになったけど、かろうじて ヘェ〜〜 にとどめておきました。
もっと別の言葉、例えば へぇ、よくしてあげたねー なんて言葉が出たらよかったのかもしれないし、彼女もそれを期待してたのかもしれないけど、信仰心の違いですかね。
信仰心と棺桶のグレードが関係あるのかどうかもわからないけど。
姑さんへの感謝の気持ちを表したかったのでしょうね。
さて、主人公篤子の周りには次々に心配事が持ち上がります。
さて、主人公篤子の周りには次々に心配事が持ち上がります。
500万も出して結婚式を挙げた娘がDV被害を受けているのではないかという不安。
ゴージャスな施設に入っている義母へ毎月9万円の仕送り。
これらをどう乗り越えていくのか、先が気になってほとんど一気読みでした。
ただ、行方不明の年金受給者の身代わりになるくだりは、どうなのかなと。
あの場面は必要だったのかちょっと疑問です。
たしかに今80歳以上ぐらいの人はたくさん年金もらってるから、それがもらえなくなったら困るというのはわかるけど。
サツキさんのお母さんは帰ってきたからいいようなものの、他の人はどうなったのか。
まさか本当に亡くなってたりするのなら、完全に犯罪だよね。
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